空調服って洗濯できるの?チタン素材のものはどうする?空調服の洗濯方法を紹介!

高温になる場所などで作業する際には、空調服がとても役に立ちますよね。実際、空調服を着て現場作業をしている方もいるはずです。ただし空調服も作業着である以上、汚れが目立つようになれば、いずれ洗濯する必要があります。

ただし、ファンやバッテリーといった電気部品が付属した空調服を、そのまま洗濯するわけにはいきません。そこで、空調服の洗濯方法について、ここでは詳しく紹介していきます。

⇒作業服でホットな話題といえば空調服!作業シーンごとに最適な空調服を紹介!

空調服は洗濯できる!

結論から言えば、空調服は洗濯することが可能です。ただし空調服で使用される生地には色々なものがあり、生地の素材ごとに洗濯の仕方も異なってくるため、あらかじめ洗濯方法をよく確認しておくことが肝心です。もちろん洗濯の際には、ファンやバッテリーなど、空調服に付属している電気部品を取り外すことが、大きな前提になります。

取り外し方は簡単なので心配する必要はありません。まずは取り外し方から見ていきましょう。

まずはケーブルから外す!

空調服の内蔵されているファンには、バッテリーから伸びるケーブルが接続されています。まずバッテリーの電源をOFFにしてから、このケーブルをファンから外して下さい。同時に、バッテリーからもケーブルを外します。

この際には、ケーブルを強く引っ張るなどして断線しないように、ゆっくり丁寧に外していきます。

ファン本体の取り外しは難しくない!

続いて、空調服に内蔵されているファン本体を取り外します。通常、ファンはリング状のガードと一緒に固定されています。ファンの爪を押してガードを外せば、ファンも取り外せるケースがほとんどです。ただしメーカーによって仕様が若干異なるので、取り外す前に説明書をよく読んでおく方が無難です。

チタン加工の空調服の洗濯には注意!

ファンを取り外した後は、洗濯表記に従って作業服そのものを洗濯するだけです。ただし注意しなければならないのは、チタン素材を使用している空調服のケース。チタン加工をした空調服は、紫外線や赤外線のカットに優れており、身体を直射日光や高温から守ってくれます。

このため、屋外で作業する方々の間では、チタン加工の空調服に人気があります。ところが洗濯を繰り返すことで、このチタン加工の生地にダメージを与え、本来の効果が半減してしまうのです。

したがってチタン加工を施した空調服の洗濯については、次の点に注意する必要があります。

まず、つけ置きや手洗いは避けること。コーティングされたチタンが剥離して、機能が低下してしまいます。これはタンブラー乾燥やドライクリーニングにかける場合でも、同じことが言えます。したがってチタン加工の空調服は、通常の洗濯機で洗うのがベター。

ただし、ドラム回転によるダメージを少しでも軽減するために、ネットに入れて洗濯しましょう。

また、使用する洗剤についても注意が必要です。まず塩素系や蛍光増泊剤配合の洗剤は、絶対に使用しないで下さい。チタンと化学反応を起こしてしまい、本来の効果が半減するだけでなく、生地そのものの劣化を招きます。

このためチタン加工の空調服には、弱アルカリ性洗剤を使用するのが基本です。もしアイロンをかけるのであれば、温度を低温に設定し、当て布の上からかけましょう。チタンの生地に局所的に高温を与えると、その部分だけ色あせや劣化を招き、チタン本来の機能が低下してしまいます。

綿やポリエステルの空調服を洗濯するには?

空調服には綿100%やポリエステル100%のものが、主流を占めます。綿の場合には色落ちしやすい性質があるので、最初のうちは白い衣類と別にして洗濯する方がよいでしょう。また綿の生地は洗濯を繰り返すうちに、当初より2~3%ほど縮みが生じます。

生地が縮むほど身体と密着するため、空調服本来の効果が発揮できなくなってしまいます。空調服は外気を取り入れながら、衣服内を膨らませて、空気を循環させることで温度を下げる仕組みだからです。したがって購入する時点で、縮みすることを想定し、少し大きめのサイズを選ぶのがコツです。

ポリエステルの場合も、通常の洗濯機で洗うことが基本になります。こちらは綿のように色落ちや縮みについて、極度に心配する必要はありません。ただし熱に弱い傾向があるため、高温でのドライ乾燥については、避ける方が無難でしょう。

難燃性素材の空調服でも洗える!

空調服には作業現場での様々なシーンを想定した、まだまだ沢山のバリエーションがあります。例えば、難燃性素材を使用した、防炎タイプの空調服もその1つ。火花が服に飛び散っても、布が溶融することなく炭化するので、火が衣服に燃え移る心配も少なく安心です。

このように自己消火性に優れているため、溶接作業をするような現場では重宝します。また親水性に優れており、油汚れでも一般の洗濯機で簡単に落とすことが可能です。ただし、難燃性素材は摩耗に弱いので、手洗いは避けるのが基本。

洗濯機を使用する場合でも、ネットに入れてから洗うことが求められます。

制電素材の空調服の洗い方は?

精密機器を扱う工場や、電気工事の現場などでは、制電素材を使用した空調服が最適です。通常、このタイプの生地には導電性繊維が入っており、衣服に帯電しにくい機能になっています。静電気が起こりにくいので、電子部品の誤作動を避けなければならない半導体工場や、発火に対して常に注意を払う塗装現場などにおいて、制電素材の空調服が活躍します。

洗濯については、難燃性素材と同じく、摩耗を避けるような洗い方が基本です。手洗いやドライクリーニングはしないように注意しましょう。また、洗濯機で洗う際には、ネットに入れてから洗う点も同じです。

高視認性タイプの空調服を洗うなら、細心の注意を!

路上での交通整理や、屋外での警備等で使用する空調服には、視認性や安全性に優れたものが求められます。このため、生地には蛍光剤や再帰性反射材を取り入れて、日中だけでなく夕方や夜間にも、存在が目立つように工夫されています。

ただし、このタイプの空調服を洗濯する際には、細心の注意が必要です。蛍光剤や再帰性反射材は化学変化を起こしやすく、物理的なダメージにも弱いからです。したがって、洗濯には中性洗剤を使用し、決して漂白剤は使わないことが鉄則。

化学変化によって、再帰性反射材の変色や、反射輝度の低下を招くおそれがあるからです。また洗濯機を使う場合には、摩擦による劣化を避けるために、空調服を裏返しにしてネットに入れから洗います。再帰性反射材は表面にガラスビーズが塗布してあるため、洗濯機のドラムによって摩擦を受けると、反射輝度が低下することもあるからです。